月刊誌「日本舞踊・六月号」掲載
先々代からの波のお扇子が、月刊誌「日本舞踊・六月号」の表紙となりました。
お扇子にまつわるお話しも載せて頂きました。
今月の金地に波が描かれています扇は、私の祖父 四世花柳芳次郎(後の花柳芳瞠)が萩江節『屋島』を振付、上演した折りにこしらえて使っていたものです。
私の父 初世芳瞠宣州は学生時代、祖父の「屋島」を見て舞踊家になる決心をしたと聞きました。不思議なことに、私も父の「屋島」を見て舞踊家になることを決めました。
そのような思い出があるこの扇は、祖父も父も好きだったようで「屋島」を舞台にかけるたびにいつもこの扇を使っていました。私にとりましても愛着のある扇になっております。親子三代の「屋島」の舞台写真を掲載させて頂きました。
また祖父は体が大きかったため、自分が使うための扇子はすべて尺壱寸で作っておりました。この波の扇子も尺壱ものです。扇子の大きさに負けないように、スケールの大きい踊りを踊ることが大事だと、父は私に毎回言って、祖父の扇子を渡してくれました。祖父の扇子を使う時はお扇子に負けずに踊ることを、私は舞台に立つたびに肝に銘じております。<芳瞠香榎・蔵>