コレクション
先代芳瞠師は、日本舞踊に必要な「扇子」や「小道具」、
音源資料である「レコード」や舞踊の資料本、また舞踊「羽子板」など
の収集家でありました。
一般的に舞台では、九寸五分か尺物の「お扇子」を使いますが、
先代芳瞠師は体格がよかったため、尺壱物の扇子を別注して
舞台で使っておりました。
亡後、女性門弟に形身分けとしてお渡しした物も多数ありましたが、
先代がよく使われていたお扇子や大切にされていたお扇子は、今も数百本残っており、
芳瞠流の門弟は演目によって舞台で使っております。
「羽根つき」は古くから、女の子の成長の過程に「禍」をつき離すと言われ、
羽根つきの「羽根」に使われて黒い玉には、「無患子(むくろじ)」という
木の種が使われているため、
お正月に羽根をつくと「子供が病気にならない」と言われていることから、
先代芳瞠師は毎年浅草で行われている「羽子板市」に出向き、
歌舞伎舞踊を題材とした縁起の良い三尺三寸物の羽子板を集めておりました。
50本ぐらいありましたが、今では30本の羽子板を舞台にお正月飾っております。